ロシアのウクライナ侵攻、もう1ヶ月が経とうとしている…まだ終わらない…
時を追うごとに、ロシア側の攻撃手段は見境がなくなって、居たたまれない。
僕自身、まだ無意識に、そして、静かに怒ってる状態が続いてるようで…それに、ふと気づくことがあって…嫌です。
そんな中、日本では、
「ウクライナの人たちは、戦いを続けるべきじゃなく、まずは命を大事にして…」的な、圧倒的力のあるロシアに対して、今は降伏してロシアの要求を受け入れる方がいい…、
そんな発言に対して、賛否両論、ネットニュースなんかを騒がしてました…
「何よりも命が大事」、その意見もたぶん間違ってはいない…
ただ、
ウクライナの人たちが置かれた状況、厳密には、侵略後に、置かれる状況…それを想像しながら考えると、「そんな簡単なことじゃない…」
そういうことが、じわじわと分ってくる。
残念ながら、じっくり考えないと気づかない…だったりします…
とにかく、
「抑圧された状態で、ずっと苦痛を感じて生き続ける…」
ある意味、虐待を受け続けるのと同じで、死んだ方がまし…、
そう思うってもおかしくない…
それくらいウクライナの人たちにとっては深刻で、受け入れられない…
それが、
どれだけ犠牲を払おうが、命を掛けて抵抗し戦い続ける…理由になってるんだと思う。
さらに、
長い歴史の中で、侵略したりされたりを数知れず繰り返してきた欧州地域…侵略される辛さ…それに対する恐怖心、警戒心が染み着いていて…それも理由としてあるんだと思う…
「その恐怖心…不安、それらの思いの強さが、僕自身も含めて日本人には希薄なのかもしれない…」と、
このウクライナ侵攻のあらゆる報道でハッとさせられた気がします。
日本は、幸いにして海に囲まれていて、隣の国とは、物理的に大きく隔てられている。
「自然が作った、人の力じゃどうすることもできない境界」に囲まれている。
でも、
ウクライナや欧州の国々って、国境は陸続き。そして、その「国境線は人が引いた線」でしかない。
厄介なのは、
「人が引いた=人為的に作った」モノで、国境なんかは、実は形もなく、人が頭の中で、勝手に作り出したモノ…
だから、人の考え次第で変えられる。
欧州地域の人たちは、そんな風に普段から、
「国境は誰かが決めた線で、誰かの意思で壊れるもの」
というのを、常日頃 肌で感じている。
そのことを、
ウクライナ侵攻の、ウクライナ、そして欧州各国の対応を見て、強く感じました。
それに対して、
自然の海で外国と隔てられた日本、
国境について、誰かがそれを変えられる…海を変える…なんて、想像してもピンとこない…
そのせいで、普段もあまりそんなことを考えない…考えなくて済んでるんだと思う。
僕自身、日本の正しい国境線を引けない…EEZでOKなんだろうか…?
そう考えると、
日本って、ものすごく幸せな国なんだって思う。
そのお陰で、
もし侵略されても、それに徹底抗戦する意識なんて、到底醸成されもせず、「そこまでされたらどうしようもない…なぜそこまでやれるのだろう…?」、
そういう思いに至ってしまう…
すべてとは言わないまでも、多くの日本人が抱きやすい感覚で、仕方のないことかなぁ…と思ったりします。
ただ、
世界からみると、不思議で、変なんだとは思うけれど…、平和ボケとまで言われたり…(それも間違ってはいない…きっと)。
国境の成り立ちが、その国の人たちの主権に対する考え方にも、大きく影響してるのかもしれない…等々、色々と考えさせられ続けてます。
とにかく、
このロシアのウクライナ侵攻、早く終わって欲しいと思う。
そして、
ロシアは、ウクライナから完全に撤退して欲しいと思う。
そこから、長期化で、とてもハードルは高くなってしまったけれど…
振り出しに戻って、ロシアが侵攻を決意するに至った、世界に対する憂いを訴え、欧米諸国と話し合いでよい方向を模索していって欲しい。
もう1つ、書きながら思ったことですが、
このウクライナ侵攻の状況は、
これまでのロシアのがやってきた、ただ単に力に頼った国際的行動の限界を示しているようにも感じてます。
これは、アメリカのアフガン政策なんかも同じですが…
今の世界は、
単に国境線で区切られた国同士が関わって成り立つ、地球儀の表面のような一層の世界じゃなく、
国境を越えた、
経済圏で広く区切られた世界、
SNSなんかの広いネットのコミュニティで区切られた世界、
国境なき医師団や、様々なボランティアなどの一つなぎの世界…等々
幾層にも異なる世界が重なった、多層の世界で構成されていて、
その複雑な多層世界が、暴力に抗し得る力になりつつあるのかもしれない…
そんな風にも思いました。