考える虫のつぶやき

こうやって生きたらいいのに を探して、物の見方、考え方について、あれこれと思うままに書いています。なぜか夜中ばかりの投稿ですが…

スポーツ選手と人種差別の抗議行動...別にすべきという意見があるけれど

全米オープンテニス、大坂なおみ選手のBLMの抗議行動について、色んな意見が溢れている。

今日、決勝が行われて、見事、優勝した。決勝まで本当にすごかった。

そして、
抗議活動で準備した7枚のマスク全てが披露され、多くの人が色んな形で考えるきっかけになった気がする。

優勝直後のインタビューで、抗議行動をどう思っているか?的な質問に対して、
彼女は、
「私のこの行動に対して、皆さんがどのように受け取ったのかを知りたいです」
だったかな?、そんな応答を返していた。

つまり、
「自分はこう思う」という一方的な主張ではなく、
「BLMの問題は、『色んな人が色んな考え方をする』ことを十分意識していて、その中で、みんなに考えて欲しい」という、彼女の真摯な思いだったと感じました。


ただ、やはり、
人種差別の問題は複雑で、ツイッターや、ニュース・掲示板のコメント欄を見ると、彼女の行動に対して色んな意見が出ている。


その中で、気になった一つは、
「スポーツに、差別の問題や政治の問題を持ち込むべきではない」や、「スポーツと、それらの問題は一緒にしないで欲しい」と言った意見です。

素朴に思ったのは、
「何故、一緒にしてはいけない、一緒にしない方がいいのだろうか?」
という疑問でした。

もし、
「一緒にされたら、純粋にスポーツを楽しめない」というのであれば、それは、
見る側の気持ちに過ぎず、
選手の気持ちになっているのかなぁ?
と思います。

常に一緒にしてしまうのは、さすがにダメだと思いますが...、
今の状況(みんなが過敏になってしまっている状況)にあっては、その立場ゆえにできる抗議方法として、彼女の行動は、
何ら違和感は感じなかったし、グッとくるものがありました。



普段から思っていることですが、

差別の問題や、政治の問題は、実は普段の生活に直結するもの だということです。ただ、
個々の問題で、それに近い人、遠い人はあるとは思いますが...

なので、

スポーツを生業とする選手には、スポーツで、
家事を生業とする人には、家事で、
会社勤めを生業とする人には、会社の業務で、
それらの問題が関わってきて、影響を受けたり、対応を迫られたり、どこかに要求や批判をしたり、しているんだと思います。

逆に、
「それらの問題は、どこにでも関係するもの」だと、
日頃から意識していれば、
それぞれで起こることも関連付けて考えることができて、
一つ一つに過剰に反応してしまうことも少なくなるのになぁと思います。

というより、是非そうなって欲しい...


政治は特に、政治家や政治に関わる人たちだけがやるものと分けてしまうと、
自分達の生活との関係が希薄になるけれど、
自分達の生活から、政治、そして今回の差別の問題などへの繋がりを考えられるようになれば、政治やそれらの問題もグッと身近になってきます。

例えば、生活と差別?と思うかもしれませんが、コーヒー一つ取ったって、原産地では十分な報酬が貰えない人たちが作っていたりします。


もう、何年も、
政治への関心が低いことが、声高に叫ばれてます
が、実は、今まで話してきたように、
「個々の問題を、自分たちで、分けてしまって、政治とは関係のないこと」
のように思い込んでしまっていることも原因の一つではないかと思っています。

そういう意味でも、
今回の彼女の抗議行動は、
一部で激しさを増し、収拾させるのが難しくなっているBLMの問題を、
テニスというスポーツを緩衝材に挟んで、考える機会を提供した
ことになったのではないかと思いました。

そして、
BLMへの過度に関心が高い人も、
試合を見てる間に、冷静になれて、「自分なら何が出来るか」を、考えたかもしれません。

僕にとっては、
そんなこんなを考える良いきっかけになった、素晴らしい大会でした。


さすがに、
この大会の試合を見て、
「よーしっ!、派手に(過激で暴力的な)抗議活動をしてやろう!」
なんて人は到底出ないはずだと信じています...


優勝おめでとうございます\(^^)/